根管治療は、歯の内部にある歯髄(神経)を何らかの理由で取り除かなければならないときに行います。
根管治療を行った歯は、歯髄を取り除いた場所に代わりとなる歯科材料を詰め、支柱を立てます。(=コア・支台築造)
その後、コアの上に被せ物を装着して治療を完了させます。
歯髄は木の幹から広がる枝のように、複雑に歯の内部に入り組んでいます。
そのため、すべてを除去することは難しく、再発率が高い治療と言われています。
現在では様々な歯科器材を使用することで成功率が上がってきていますが、通常の根管治療での再発率はおよそ4割で、10人中4人が再発をしてしまう計算になります。
症例写真

初診検査時にレントゲンで再発が見つかった歯の治療になります。
5年ほど前に根管治療をしたということでした。
すでに神経を取っているため、痛みは発現していませんが、噛んだ時に響くような違和感はあったようです。
1枚目のお写真は、被せ物を外し、前の根管治療で装着してある銀色の支柱(=コア)が見えている状態です。

コアを取り除いていきます。
上物を除去し、根管内に入っているポストが見えてきました。
歯が黒くなっている部分は虫歯です。

虫歯、ポスト、さらに内部に詰められていた歯科材料をすべて取り除きました。
歯の内部に穴が見えます。
これが根管で、元々は歯髄があった場所です。
この後根管治療を行い、内部をきれいにしていきます。

根管内の治療が完了したあとは、コアを装着するための型取りを行います。
4枚目のお写真は、新しいコアが装着されたものになります。

コア装着後、被せ物の型取りを行います。
5枚目のお写真は、新しい被せ物が装着されたものになります。
下の歯の治療だったため、見た目を1番に考えたいという希望がありました。
噛む力が強く、ご相談の結果、ジルコニアセラミッククラウンを装着しました。
根管治療などの虫歯治療を行った経験がある方は、お口の中に人工物が入っています。
人工物は種類によって耐久年数に差はありますが、経年使用でやり変えが必要になります。
また、材料の劣化により隙間が生じることで、二次虫歯になるリスクもあります。
そのため、治療をしたら通院をやめてしまうのではなく、定期的な検診を受け、お口の健康チェックを続けることが大切です。