今回は実際にMTA歯髄保存療法の治療を受けた患者様に治療前・治療中・治療後のお話を聞きました。
MTA歯髄保存療法を検討している方はぜひご覧ください。
治療前
検診を受けた際に虫歯が見つかりました。
15年ほど前に他の歯医者さんで虫歯治療を行った歯です。
歯科用プラスチックであるコンポジットレジンでの治療がされていました。
治療を受けた年数から、コンポジットレジンの劣化によるやり変えの時期も迎えていたと考えられます。
痛みなどの症状はなく、レントゲン撮影を行って見つかった虫歯です。
治療中
治療中は麻酔下で行うため痛みはなかったそうです。
治療後

術後のレントゲン写真です。
下顎の奥から2番目に写っている歯が今回の治療歯です。
真っ白い像が虫歯に感染し削った部分ですが、かなり大きな感染範囲だったことが分かるかと思います。
麻酔が切れると、だんだん痛みが出てきたそうです。
神経(歯髄)にかなり近接した虫歯を除去したので、痛みが出たと考えられます。
神経が過敏になって痛みが出ている場合は2~3日で緩和してきます。
治療後1~2日間…舌で触るだけでも強い痛みがあったそうです。鎮痛薬を服用していただきました。
治療後3日~…これまであった痛みが嘘のようになくなったそうです。
その後の経過

1ヶ月間経過観察を行いました。
痛みは術後2日間出てしまいましたが、その後の経過は良好で無事に最終修復物の装着が完了しました。
セラミックでの修復を行いました。
MTA歯髄保存療法では、虫歯が神経(歯髄)にかなり近接してしまっていると術後強い痛みが出ることがあります。
ですが、その後痛みが落ち着き、経過が良好であれば、神経を温存したまま治療を完了することができます。
従来なら神経治療が必要になる可能性が高い虫歯に対しても、MTAセメントが効果を発揮し高精度であることが分かる症例のご紹介でした。