入れ歯（義歯）の治療が完了すると、入れ歯での生活がスタートします。
初めて入れ歯を使う方は最初は慣れないことが多いと思います。
今回は、使い方や装着感に慣れるためのいくつかのポイント・注意点をご紹介します。
入れ歯（義歯）でのお食事
・最初は柔らかい食べ物で新しい入れ歯を使うことに慣れましょう
卵、魚、アイスクリーム、豆腐など
慣れてきたら徐々に硬い食べ物を食べてみると、使いやすいと思います。
・総入れ歯の場合は左右均等に噛みましょう
片側のみで噛んでしまうと反対側が浮いてしまい、入れ歯が合わなくなってしまったり安定して噛めなくな ったりしてしまいます。
また左右均等に噛むことで、歯肉が噛むときの圧力に慣れてきます。
・一口サイズの大きさで食べる
歯があったときに比べて、入れ歯は噛む力が落ちてしまいます。
噛みやすい大きさにしてから食べるようにしましょう 。
・食べ物や飲み物の熱さに注意してください
特に総入れ歯は歯肉を覆う範囲が多いので、温度が感じにくくなります。
そのまま飲み込んでしまうと喉などを火傷してしまうので、少し冷ましてから飲み込むようにしてください。
ゆっくり時間をかけて入れ歯に慣れていきましょう。
入れ歯を使用してほしい理由
入れ歯の使用に慣れるまで個人差はありますが、中には”煩わしいから”と入れ歯の使用をやめてしまう方がいらっしゃいます。
ご高齢の患者様で入れ歯の使用を自己判断で中止してしまった場合に起こるリスクがあります。
・誤嚥のリスクが高まる
長期間柔らかいのもばかりのお食事で、しっかり噛まずに飲み込んでいると、嚥下（飲み込む）機能が低下してきてしまいます。
そのため誤嚥性肺炎などのリスクが高まってしまいます
・認知機能が低下する
咀嚼（噛むこと）による脳への刺激が減り認知症リスクが高まります。
認知症が進んでしまうと、飲み込む前に口の中に食べ物をたくさん詰め込んでしまうなど窒息のリスクも高めてしまいます。
・栄養不足になる
食べられるものが限られてくると栄養も偏ってきます。
入れ歯を使用していても自分の歯で噛む時より噛む力は弱くなってしまいますが、入れ歯を使用せずに噛んでいるとより噛む力がなくなってしまい、全身の健康維持にも影響してきてしまいます。
入れ歯で噛みにくいと感じたら…
ご使用中の入れ歯に慣れない、使いにくいと感じたら、自己判断で使用をやめるのではなく、歯科医院にご相談ください。
調整をして噛みやすくしたり、使用方法のアドバイスをすることができます。
